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光を求めて
第9章 昔のように
「そう威嚇するな……自分の子供を怖がらせてどうするよ……本当にお前は」
おじ様は笑いながら父をたしなめる。
父に対して物おじせずに話せるのは母とおじ様ぐらいだった。
「お前には……関係ない」
「関係ないなんて……寂しい事言うな……そうやって人を遠ざけるな……遠ざけてもいい、けど心から信頼する……友人だけは遠ざけるな……だから仲直しろ……私がいなくなった後に一人にならないためにもな……」
おじ様の言葉にみんなが息を飲んだ。
そんな私たちを見ておじ様は笑う。
「大丈夫だ……そう簡単には死なんさ。だけど人はいつか死ぬ……その時に後悔だけは残したくはない……それだけの事だ」
「そうですね。人はいつか死ぬんですよね。その時まで……あなた、一緒に楽しみましょう?時間は十分すぎるほどあるんですから」
おば様は、おじ様の手を包み言葉にする。
そのおば様の言葉にほほ笑むおじ様は、本当に優しく微笑んでいた。
これから先は家族の時間だと思い父と病室を後にした。