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光を求めて
第10章 本当の気持ち

「私ひとりって、この店本当に大丈夫?」

「大きなお世話だ!!と言いたいところだが、この時間はこんなもんだろう?あと30分もすればいつものうるさいやつらが顔を出すだろうさ」

そう言われ時計に視線を向けると、19時を少し回った頃だった。
食事をしてから来る人が多いから人が少ないのも頷ける。

「それよりどうした?何かあったか?」

コップを洗いながら畏まらずにさらっと聞くのは、私が楽に言葉に出せるようにとのゲンさんの優しさ。
この優しさにいったいどれだけ救われたんだろう。
初めて会ったその時から今までずっと、私はゲンさんに救われてきた。
ゲンさんがいなければ自暴自棄になり、今の私ではいられなかった。

「ゲンさん」

「んっ?」

コップを洗い終わったゲンさんは、椅子に座って煙草を吸いながら私に視線を向けた。
その目を見ながら正直な気持ちを告げた。

「ありがとうね。ずっと支えになってくれてありがとう」

それは今の正直な気持ち。
毎週のように男と寝ていた私を見放すことなく見守り続けてくれたゲンさんへの感謝の気持ちだった。


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