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光を求めて
第12章 甘い言葉
大通りに面したお店だから迷うことなくお店に到着した。
金曜だけあって待ち時間があると言われたけど、案外早くお店に入ることができ、カーテンで仕切った個室に通された。
テーブルとひとつのソファーだけの小さな部屋。
ふたりで座ると身体が密着してドキドキする。

「カップルシートですね」

「だったらこういうことしていいのかな?」

何気ない一言に田所さんはにっこりと微笑み、チュッと触れるだけのキスをした。
個室と言ってもいつ店員さんが入ってくるかわかない場所でとまどっていると、今度はもっと濃厚なキスをされた。
舌を絡ませられここがどこか忘れそうになる。

「田所さんっ……ここ、お店」

「分かってるよ。けど、彩羽がかわいすぎて止まらない……もっと舌出して」

甘い声でささやかれて自然と舌が伸びて深いキスを繰り返す。
もっとしてほしくて強請るとダメだよと諭された。

「でも……」

身体が疼いているとは言えずにモジモジしていると意地悪に笑う。

「俺の中途半端だからお互い様。早く食べ終わってホテルに行こう。そこで抱きたい」

耳元でささやかれて顔が真っ赤になる。

「彩羽は言葉に弱いな。そこがかわいいんだけどな」

優しく髪の毛をなぞりながら、メニューを見ながら食べたいものを選んだ。
そして、頼んだものがくるまで田所さんはいたずらをやめない。


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