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光を求めて
第14章 制裁
「峰岸さん行こう!まだ社長は残ってるはずだから」
駐車場に父の車があるのは確認済みで、峰岸さんの腕を取って会社に向かって歩き出した。
田所さんの隣を通り過ぎようとした瞬間、峰岸さんの腕を握る手を取られた。
「いい気になるなよっ!そんなことしてお前が一番困るんじゃないのか?俺が取った写真を見せればどうなるか分かってるんだろうな」
その写真が何かは直ぐに分かった。
私が夜な夜な違う男とホテルに入って行く写真と社内でSEXをしている写真。
それでも引き下がるわけにはいかなかった。
「ばらまきたければばらまけばいい。それだけの覚悟はして話しているんです。私たちを馬鹿にしないでください」
「お前っ」
顔を真っ赤にして怒っている田所さんは、私の手を離して手を挙げた
口では勝てないからと手を挙げる行為に腹が立つ。
どれだけ女を馬鹿にすればいいのかと叩かれる覚悟で睨みつけた。
顔を歪めながら振り下ろす手は――私の頬に当たる瞬間止まった。
止まったというより、後ろから伸びてきた手によって阻止された。
「女に手を出すって男としてどうよ。それに、この子に手を出すなって言ったよな」
後ろから聞こえた低い声に、振り向かなくても誰なのか分かる。
タイミングがいいというかなんというか……助けてくれたのはこれが3度目。