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光を求めて
第14章 制裁
何も話さなくなったゲンさんの横を歩いていると、赤信号で立ち止まったゲンさんは頭を撫でてくれた。

「まぁ、ああは言ったが……良く頑張ったな。会社では人と関わらないようにしていたお前が同僚の為に良く頑張った。やり方は褒められたもんじゃないが人の為に熱くなるお前を見れて嬉しかったよ」

「ゲンさん」

ゲンさんの褒め言葉に心がジーンと熱くなる。

「田所という男は最低な男だったが、お前にとっては前に進む良いきっかけになったかもしれんな。これからはもっと人と関わっていけ。関われば傷つくことも多くなる。けどな、それ以上に学ぶモノもあれば楽しい事だってある。同年代の友達を作るのも今の彩羽にとっては良い事だと思うぞ!」

ゲンさんは最後にニカっと笑って歩き出した。
同年代の友達。
そう考えて思い浮かぶ人物はいない。
考えてみれば友達と呼べる人はいなかった。
私につきあってくれるのはmaple-メイプルの人たちで、友達と言って良いのか分からない。
もし、ゲンさんの言う通り友達を作ることができたら、何かが変わるのか……

「彩羽!置いて行くぞ」

先を歩くゲンさんが私の名前を呼ぶ。

「あっ。待ってよ、ゲンさん!待っててば」

慌ててゲンさんの後を追い、また横に並んでmaple-メイプルに向かった。


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