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光を求めて
第17章 恋愛初心者
「で?それからどうなったの?」
食い込み気味に聞く上野さんに苦笑いしかない。
「どうもこうも……それから会ってないので何もないですよ」
「はぁ~?何それ!!キスしといてそれっきりって……東間さんはそれでいいわけ?」
「いいわけないですよ。でも……」
「だったらぐだぐだ言ってないで直接本人に聞きなさいよ!!」
最後にはテーブルをバンと叩いて声を張り上げると、他の社員の視線を一斉に集めた。
「上野さん、興奮しすぎです。みんなの注目浴びちゃってますよ」
峰岸さんが笑いながら宥めると、周りの視線が自分に向いていることに気がついた上野さんは慌てて口元を抑えた。
「まぁ、でも、上野さんの言葉に賛成ですね。キスをするって言う事は少なからず東間さんに好意を持ってるってことでしょう?あの時、助けてくれたことにしても、仕事帰りにばったりあって食事に行ったことにしても、好意がなければしませんよ」
峰岸さんは話をまとめるかのように口にした。
「そうよね。私も優さんは東間さんに好意を持ってるのは間違いないと思う。今の時代、待ってるだけの女なんてありえない。自分から行かなきゃ手に入る幸せも手に入らないわよ!」
ふたりして私の背中を押してくれる。
私も優さんの気持ちを聞きたいとは思う。
思うけど……