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第21章 繋り

「優……全てを知った上で、彩羽を守ると言っているんだな」

「ええ、俺が全力で彩羽を守る。そう、お義父さんにも約束しましたから」

優さんの言葉を聞いたゲンさんは、私の肩に腕を回して抱き寄せた。

「今から話すことは、彩羽には辛い思いをさせる事になるだろう……それでも知りたいか？全てを知る覚悟はあるのか？」

肩に置かれた指は、先程と比べ物にならない程震えていた。
正直、ここまで言われて大丈夫だからと笑って返事をすることはできない。
だけど、聞かなければゲンさんが辛い思いをし続ける事だけは分かっている。

「大丈夫、私には優さんがいる。それにこの子だっている。――だから話して欲しい。昔、何があったのかを」

私の言葉に、ゲンさんはゆっくりと頷いた。
そして優さんはゲンさんとは反対側に座り、コツリとこめかみを当ててきた。

「彩羽。お前の悲しみ事俺が受け止めてやる。俺やこの子がいることだけは忘れるな！そして……全てを聞いて判断しろ。もし、話を聞いてもお義父さんを許せないと思うならそれでいい。二度と両親と会わないと決めたのなら、俺もお義父もその意見を尊重する」

優さんの言葉に父を見上げると、父はゆっくりと頷いた。
これから何を口にするのか……恐怖で身体が震えた。