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光を求めて
第21章 繋り
「俺はゲンさんとお義父さんの関係を知って、ずっと気になっていた事があったんです。それを聞きにお義父さんに会いに行った時に全てを聞きました。そして、お義父さんに全てを話して欲しいと言ったのは俺なんです。彩羽とお義父さんとの確執を取るには全てを知る必要があると俺が判断した。……彩羽の全てを引き受ける覚悟でお願いしたんです。――全てを話して前に進みませんか?ゲンさんもお義父さんも過去に囚われ続けるのではなく前に進むために」
「っだがしかし」
「聞けば、いつ記憶を戻してもおかしくないらしいですね。だったら今なんじゃないですか?みんなが揃っている今、全てを明らかにするのが最善な事じゃないですか?」
優さんの言葉にもゲンさんは渋って頷いてはくれない。
私も、ここまで話されれば聞かないわけにはいかないと思う。
だって話の中心にいるのは私で……私が元凶でゲンさんを苦しめていると分かるから。
「ゲンさん、私は知りたい……昔、何があったのか、私は知りたい」
そう言葉にすると、ゲンさんは顔を歪めて俯いてしまった。
父はゲンさんが頷かないと話さないようで、病室内では誰もが話すことはなかった。
そんな中、ゲンさんは手の中にあるクシャクシャになった紙を開いて【彩楓】の文字を見つめた。