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光を求めて
第3章 ゲンさんとの出逢い
「親の心子知らずと言ったところだな。お前が子供を産んで親になればわかるさ」
納得ができない私にゲンさんは少し寂しそうに笑った。
そんな表情をする時は娘さんの事を思いだしていると知っている。
会いたいけど会えない娘さん。
それとは逆に、会えるのに会いたくない私。
「まぁ、今は分からなくても、いずれは親の気持ちが嫌と言うほどわかるだろうさ」
そんな日が来るのだろうかと考えてみても想像もつかなかった。
それだけ、私と父との間には大きな溝ができていた。
「でも、私にはゲンさんがいるから。ゲンさんが私の父親代わりだよ」
そう告げると少しうれしそうに目じりを下げる姿に、本当にそう思う。
父には悪いけど、父以上にゲンさんを父親のように思っている。
そしてゲンさんも私の事を娘の様にかわいがってくれて、危ない目に合わないように目を光らせている。
本当だったら一夜限りの男なんてやめろと思っているに違いない。
だけど、どんな相手でも満たされない私の心を知っているゲンさんは何も言わず、ただ変な男に引っ掛からないようにと、この場所を提供してくれた。
そして、それがコースターの言葉。
――― 奥の男はやめろ!
かなりの確率で当たるから、そこは全面的にゲンさんを信頼している。