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光を求めて
第5章 初恋
あんな事があっても、私の生活は変わらない。

「お姉さん。さっきからひとりだけど暇なの?」

声をかけてきたのは、私と同じ年ぐらいの男だった。

「お兄さんもひとり?」

「そうなんだよね~彼女と待ち合わせしてたんだけどさっ。仕事が終わらないってフラレちゃった。お姉さんが暇ならごはん行かない?俺おごるよ?」
 
「私と同じだね。じゃあ、行っちゃおうかな?」

あまり話もしなくて一緒にいる人を決め、近くにおすすめの居酒屋があるということでそこで飲むことになった。
若者が集まるような賑やかなお店で、金曜日だけあって賑わっていた。
男のおすすめの焼鳥とビールで乾杯をし、少しお酒が進めば色々な話で盛り上がった。
2時間ぐらい食べて飲んで、もう一軒行こうということになり店を移動する。
自然と男の腕が腰に回り距離が近かった。
きっと、寄り添いながら歩く姿は恋人同士。
誰も一夜限りのふたりだとは思わないだろう。

「私たちカップルに見えるかな?」

「美男美女?羨ましがられるかもね」

男の言葉に笑いながら、煌くイオンの中を歩いていた。
ここの上がお気に入りのバーだからと、エレベータのボタンを押して待っていた時だった。


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