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第8章 黒いお馬さん

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「‥なんだか、外の方が騒がしいですねぇ‥

大会も近いからみんな、血気盛んなんでしょうか？」

「ははっ！そうかもねっ」

「ここの設備の使用方法はわかりましたか？」


「うん、大体わかったよ‥

ありがとう、アレン‥」





「アル‥あなたはほんとに素晴らしい人です‥
そんなに若いのに人に感謝する気持ちを持っている・・・
ご自分で気付いてますか？


してもらう事が当たり前になってしまった世の中で、中々そういう気持ちを心から持てる人は多くはないでしょう‥‥

よっぽど、お育ちがよかったんですね 」


「そんなっ…育ちなんて……さっきも言ったように、食うか食わないかの生活ばかりでっ」

アルは、ちぎれんばかりに手を振り否定した


「…アル‥」

「はぃ」


アレンが一瞬、厳しい表情をしたのでアルは迫力に押されてしまった




「金持ちだから育ちがいい、貧しいから育ちが悪いってわけではありません‥

お金は持っていても気品の“気”の字も見当たらない方はたくさんいます
目をみればわかりますよ‥

自分を蔑まさず自信を持って下さい…ね」