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第8章 黒いお馬さん

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アレンはさっきの表情とは打って変わって柔らかい微笑みでアルを優しく見つめた

…あーまた、そんな顔で微笑むっ!


アルは胸の鼓動を抑えるのに苦労していた。



「それでは夕食まであともう少しありますから、隣の鍛治屋も見ておきましょうか」


アルはコクンと頷いた

廊下に出てアレンの後ろをついて行く。
アルは自分の頭上に手をあてアレンに気付かれないように自分との身長差を測った。



…あまり差がないよね？アレンは何センチなのかな？


アルはちょっと考え込んだ。



ちょうどその時遠くの方から、けたたましくアルを呼ぶ声が‥


「アル―――っ!!」

ティムだった

ティムは今にも泣きだしそうな形相でアルの元へ駆け込んできたのだ


「ど、どうしたっ!?ティムっ？」


「ジ、 ジョンがぁっ‥」

「ジョンがどうしたっ?

ぐずってるっ？

どうしたティムっ！落ち着いてっ!!」


アルは今にも崩れ落ちそうなティムの肩をしっかり支えた。

アレンは何がなんだかわからない様子で二人を見つめている。







「ジョンがぁ‥いなくなったぁっーーーーー!!!」