この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
微睡みの中で
第7章 戸惑い
今まで聡のことでいっぱいだった脳内が、翔馬の言葉に侵食されていくような感覚に陥った。
単純だな、私。
こんなにすぐ気持ちが揺らいでしまうなんて。
…私ってこんなにチョロいんだ。
と、少し自分をアホらしく思うほど。
でも、私をちゃんと好きでいてくれる人が居ることが本当に、とても嬉しかった。
「…最初から、翔馬くんのことを好きになっていればよかったのにね…」
そうつぶやいて、翔馬に笑いかける。
私今ちゃんと笑えてるのかなぁ。
目の前にいる翔馬がまた少し困った顔をする。
…あぁ、ちゃんと笑えてないのかも…。
「今から…好きになればいいじゃん」
私の目をみてはっきりと。
翔馬は、こうなればもう全部気持ちを曝け出してやる、と半ばヤケになっているようにも見えた。
しばらく沈黙が続く…。
今から、か…。