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微睡みの中で
第8章 微睡み。


…しかし結婚かぁ、あの2人が。


20歳と聞くとすごい早く感じるけど、成人だしそんなことないのかな…。


俺は将来、沙耶香とどうなるんだろう。


このまま今まで通り、過ごすのも悪くないけど。


俺は今20歳で、沙耶香が27歳。


…思えば2年間も一緒にいて、好きだとお互いに伝えあったことが1度もなかった。


元々、そういう風に一緒に居ることを選んだわけではなかったから。


そう思いながら俺は、沙耶香の居ない生活を想像してみた。


もし、飽きられてしまったら?


もし、他の男のところに行ってしまったら?


もし…沙耶香が死んでしまったら。


自分の傍に沙耶香が居ないなんて…信じられない。


考えたくもなかった。


その時俺はハッ…と気がづいた。


沙耶香が自分にとって、それほどかけがえのない存在になっていることに。



俺は…沙耶香のことが好き…?


いや、きっとそれどころじゃない、愛して…しまっている気がする。


そう考えてしまった瞬間、胸がぎゅうう…と締め付けられ、脳にビリッとショックを与えられたような気分だった。


本当に?俺が。


ちゃんと人を好きになれた?


…気づくのにこんなにも時間が掛かってしまった。


分かった瞬間から、それで頭がいっぱいになって、落ち着いていられなくなった。


この気持ちを、沙耶香に伝えたくなって、しょうがなかった。
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