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微睡みの中で
第1章 空教室
「ねえ、聡」


モジモジしながら俺を呼び止める。


振り向くと、少し目をそらしながら、「あの、えっと」と勿体ぶっている。


「何?」


「夏休み入ったし…家寄っていかない?美味しい紅茶もらったんだ…だから、ね?」


照れているのか目線はほとんど外していたが、時々チラと俺の顔を、上目遣いで伺う。


あーあ。


いいのかな、そんなこと言って誘うの。


紅茶なんて絶対建前だよな?


そんなに胸元火照らせて。


「ふーん…美味しい紅茶?いいね」


前に空き教室でセックスした時以外ヤッてないもんなぁ。


関係を始めた頃はそんなに頻度は高くなかったのに、今となっては本当に頻繁に誘ってくる。


「……うん…えへへ」


そういう莉奈は顔を赤らめて、すこし俯きがちだった。


にへらと笑うと俺の横に並んで、歩き出す。
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