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微睡みの中で
第4章 祭
風呂に入ろうと部屋から出ると、兄貴たちが部屋でたのしそうに会話しているのが聞こえた。
流石にセックスするのは控えてほしいなあなんて内心思いながら俺もささっと風呂に浸かりながら考えていた。
それ以外にも、少しだけ沙耶香のことを考えてしまう。
浴衣似合ってたなあ。
くそ、似合ってるって一言いえばよかった…。
なんでこういつも小心者なんだ。
無意味だとわかっていても少し自分に苛立ちながら、風呂から上がる。
さて、あとは寝るだけなのだが、部屋に戻ろうと扉に手を掛けると隣の部屋から「事が起きている」物音が微かに聞こえてきた。
「おいおいまじか…」
いやさ、いいんだぜ。
君たち付き合ってるし。
分かるよ。
俺はストレートだけど同じシチュエーションだと絶対ムラムラしちゃうと思うから。
声だよ、抑えてくれよ…兄貴!
お察しの通り、瑞貴が俗に言う「受け」だ。
鬼畜眼鏡と言うくらいだからきっとそうなのだろう。
腐女子の方には少し気になる所だろうが、俺からはさすがに語れない。
そそくさと布団の中に潜り、イヤホンをつけて音楽を流しながら無理矢理眠りについた。