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微睡みの中で
第7章 戸惑い
「莉奈…大丈夫?最近元気ないよ」
「そうだよ、何かあったの…?」
同じクラスの友達の結花達も心配してくれることだし、元気を出さないと。
こんな時に声をかけてくれるのは本当に嬉しいし、助かる。
私は自分は幸せ者だと感じながら「大丈夫だよ」と答えて、平然を保つことが出来た。
ある日の休み時間、女子トイレに向かうと中から3人程の話し声と、キャハハという笑い声が響いてきた。
ちょっと入りづらくて、別のトイレに向かおうと踵を返した時。
私は聞いてしまった。
「いやさ、莉奈って最近陰気臭いよねーマジでめんどいわ」
「わかるわー、なんでアタシらがあいつの心配ばっかしなきゃいけないの?って感じ」
「どうせ浪川くんとなんかあったんでしょ?前まで休み時間の度に会いに行ってたしその話ばっかだったのに、新学期になってから全然じゃん」
私はその場で暫く立ち尽くしていた。
そんな風に、思われていたなんて。