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微睡みの中で
第7章 戸惑い
「は?なんの事?」
「とぼけないでよ…私の事、ビ…ビッチとか…そんな風に思って…!」
「えー、何言ってんの莉奈ー!大声出さないでよ。私らが友達にそんなこと言うわけないじゃん」
「ねー」と周りに同感を求め、いつまでもすっとぼけた態度を取る結花に、苛立ちが急速に膨らみ出す。
堪忍袋の緒が切れたように怒りがみるみる溢れ出す。
どの口が言ってんのよ、バカバカしくなってきた!
「友達…?思ってもないこと言わないでよ。さっきの全部聞いてたんだから…っ!もうあんた達のこと友達だと思えないから…。言いたいことあるなら堂々と言いなよ…!」
それまで笑いながら誤魔化してきた結花が、いきなり真顔に戻り、私に近づいてきた。
「じゃあ言わせてもらうけど」
蛇のような、威圧するような目で私を睨みつける。
「私だってあんたみたいなクソビッチのブス女、願い下げだから」
そう吐き捨てると、一瞬ニコリと不気味に笑う。
「邪魔」と言いながらわざとぶつかってその場を立ち去って行った。
堂々と言って来いなんて、自分で言っておきながら。
ああやっぱりそうだったんだって確信してしまって。
陰口を聞いているより面と向かって言われる方がずっとショックがすごく大きかった。