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密室脱出 ~あなたは脱出できますか?~
第4章  Q 04「隠した物」


  (前回の問い)
Q 03 ノートの値段
「4人で備品の買い出しへ行った。
全部違う値段だけど、合計で一万円ピッタリなんだぁ。と、梨沙。
みんな1000円以上したんだね。と、美織。
オレが買ったファイルは、ノートの2倍もするのか。と、奏汰
コピー用紙は2500円で、僕の買ったチョークと1000円違いか。と拓也。
ノートの値段はいくらだったか。
それが金庫の暗唱番号。チャンスは一度だけ」


 部屋は今までよりガランとした印象。地下だから窓は無いが、シャンデリアで部屋は明るい。
 中央には木製のテーブルと椅子。奥のチェストの上には大きな金庫がある。
「この金庫か……」
 拓也が金庫を見つめた。
 0から9までのタッチボタンがあり、ダイヤルは付いていない。
「早く解こうぜ。なぁ、拓也」
 奏汰に手紙を渡され、拓也が溜息をつく。
「少しは、自分で考えてみたらどうなんだ?」
「オレは解けないって言ってるだろ? 早くしないと、みおが待ってるんだよっ!」
 奏汰の言葉に、拓也は手紙をテーブルに置いて椅子へ座った。
「大丈夫。これは簡単だよ」
 拓也の言葉に、二人が椅子を近付けて座る。
 持っていた袋から、拓也はメモ張とボールペンを出した。
「コピー用紙は2500円と書いてある。チョークと1000円違いだとあるから、チョークは1500円か3500円」
 拓也の説明に、二人が頷く。
「チョークを3500円と仮定すると、コピー用紙と合計で6000円。全ての合計は1万円だから、残り4000円」
 2人にも分かりやすいように、和哉はメモ張に書いて行った。
「ファイルはノートの2倍で、ノートは1000円以上じゃないといけないから、これでは成り立たない」
「えーっ、分かんないの?」
「みおは一人で待ってるんだぞ? こんな時に、頭がいい事をひけらかさなくてもいいだろ?」
 奏汰が立ち上がって、拓也を睨みつける。
「すぐ興奮する癖、直した方がいいよ」
「何だよ!」
「やめて、二人とも。今は、答えを出すのが大事でしょ?」
 梨沙に言われ、奏汰は座り直した。
 拓也と奏汰は、今までこんなにぶつかり合った事は無い。今の状態を冷静に切り抜けようとする拓也。不安や焦りから、どうしても興奮してしまう奏汰。お互いの溝が深まって行く。


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