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密室脱出 ~あなたは脱出できますか?~
第1章  Q 01「次の問いに答えよ」



 会長補佐の本郷拓也(ほんごうたくや)が鍵を閉め、四人は生徒会室を出た。
 細見の長身で男にしては色が白く、いかにも頭が切れそうな顔立ち。責任感が強く、仲間からの信頼も厚い。
「会長、大丈夫かな。夏風邪が酷いって聞いたけど」
 副会長補佐の後藤奏汰(ごとうそうた)が言う。
 拓也と身長はほぼ変わらないが、中学までやっていたサッカーで日焼けした顔は、拓也と対象的。
「一週間も休んでるんでしょ?」
 会計補佐の寺島梨沙(てらしまりさ)が、心配そうに他の三人を覗き込む。
 見た目は今時の女子高生らしいが、生徒会の一員として規律は守っている。体型は平均的で明るく、クラスでも人気者。
「受験勉強、大変な時期なのにね……」
 瀬戸美織(せとみおり)は書記補佐。性格は大人しく真面目だが、生まれつき心臓に持病があるため、肌は透けるように白い。身長も150cmで細見。だが薬を服用していれば、普通の生活で倒れることはなかった。
 奏汰と美織は幼馴染で、幼稚園と小学校と高校が同じ。仲間内だけでいると昔の癖が出て、奏汰は美織を「みお」と。美織は奏汰を「奏(そう)ちゃん」と呼んでいた。
 四人とも、高校二年生。
 校内の選挙で生徒会執行部役員に選ばれたが、拓也以外は次の選挙に出るか迷っている状態だった。
 だが、一年の時から続けていると、自動的に近いくらい続けることになってしまう。
 三年生の会長が体調を崩しているため、この一週間は、補佐である拓也がその代わりを務めていた。
 秋の選挙後に三年は引退でも、受験勉強に忙しくなる夏休みが事実上の引退。その夏休みまであと一週間だが、今は試験休み中。
 生徒会は週に一度会議を行うために登校しているが、今日集まったのは四人だけ。
 三年生は受験勉強で仕方ないとしても、一年や他の二年も来ない。
 雑談をしながら一時間待ち、四人は帰ることにした。


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