この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
密室脱出 ~あなたは脱出できますか?~
第1章  Q 01「次の問いに答えよ」


 四人が正門を出た時、荷台が金属製の大きなトラックが止まる。そこから作業服姿の男が一人降りて来た。
「何か、備品購入とかあったっけ?」
 補佐と言っても梨沙は会計のため、そんなことが気になってしまう。
「オレは聞いてないけど?」
 奏汰が拓也を見る。
「僕も何も? 生徒会には、関係ない備品だろう?」
 作業服の男が荷台を開けると、スーツ姿の男達が四人出て来た。
「キャー!」
 掴みかかられた美織が声を上げる。
「何だよっ!」
 奏汰は相手を振り払おうとしたが、男にタオルを口に当てられると、グッタリとなった。
 他の三人も同じ。
 薬品を嗅がされて意識を失った四人は、トラックの荷台へと運び込まれた。



「んっ……」
 陽の光を感じて、美織が目を覚ます。
 見た事のない部屋だが、洋館の内装。
 部屋はそう広くはなく、それぞれが寝ているベッドが四つ。大きな窓の外は森が続いていて、他に見えるのは空だけ。
 反対側の壁沿いには、小さな引き出しがたくさんある立派なチェスト。上には、重そうな置物がいくつかある。その横には小型の冷蔵庫もあり、四人では狭いくらい。
「みんな、起きて。奏ちゃん、梨沙、拓也っ」
 美織に体を揺すられ、他の三人も目を覚ます。
「え? ここ、どこだ?」
 奏汰が部屋を見回し、窓を開けようとするが開かない。
「だったらっ!」
 思い切り窓を蹴った奏汰が、足を抑えてうずくまる。
「いってえっ……」
「奏ちゃん、大丈夫?」
 美織は奏汰に駆け寄ったが、拓也は今蹴った窓を調べている。
「防弾、ガラスか?」
「拓也っ! どいてっ!」
 拓也が避けた瞬間、梨沙がチェストの上にあった重い置物を何度か揺らして、勢いづけたものを窓へ投げた。
 置物は窓でゴンッ! と音を立て、フローリングへ落ちる。
「オレの足で、割れるわけないよな。何だよ、この窓はあ」
 奏汰が間近で見ると、木に見えた窓枠は金属製。それを拓也も確かめていた。


/62ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ