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密室脱出 ~あなたは脱出できますか?~
第6章 Q 06「近道は迷い道」
(前回の問い)
Q 05 いくらなの?
「姉妹はおかあさんから200円をもらって、近所の駄菓子屋さんに向かった。
途中で会ったおじいちゃんにも、300円もらった。
駄菓子屋さんに着いて200円ずつ買おうとしたら、おかねがたりないと言われた。
その理由を20文字以内で答えろ。
答えはシューターで送れ。正解ならドアが開く。
「何か、ひっかけがあるのか?」
奏汰が腕を組む。
「持ってるのは、500円でしょ? 200円ずつなら、合計400円。消費税があったとしても、足りるよねぇ?」
梨沙も考え込んでしまう。
「単純だとしたら……。姉妹は二人じゃない」
拓也の言葉に、三人が彼を見る。
「姉妹だと、二人だと思っちゃうよねぇ……」
梨沙が頷く。
「それだよ、きっと! 姉妹は二人じゃない!」
言った奏汰が袋から筆記用具を出し、解答用紙に書こうとした。
「奏汰、待て。それだと、確実に正解とはいえない」
「え? じゃあ……。姉妹は、三人だった?」
「それも正確じゃないよ」
拓也の言葉に、奏汰は手を止める。
「四人かも……。五人の可能性もあるよね……」
美織が呟く。
「そう。正確には、“姉妹は三人以上だった”」
「そうかあ」
拓也の頷きを見て、奏汰が解答用紙に書き込む。
梨沙が持っていたカプセルに入れ、シューターへ入れると、凄い勢いで天井を通り過ぎて行く。
「この先に、犯人がいるんだぁ……」
梨沙が呟いた直後、カシャとドアの鍵が開く音がした。
「どこだ?」
「奏ちゃんの、後ろ……」
美織が呟く。
変わった形の棚ごと、少しだけドアが開いているのを見て、拓也が急いで外側に開けた。
今までここのドアは全て、一度閉まるとロックが掛かる。
だが拓也は、そのまま遠くを見る顔付きになった。
「拓也? どうしたの?」
立ち上がった美織が近付くと、先は薄暗い洞窟。薄暗く、10メートル程しか良く見えない。
「ここを進むのぉ?」
「マジ暗いじゃん」
近寄って来た梨沙と奏汰も先を見つめていた。
「行くしかないだろう」
歩き出す拓也の後を、三人がついて行く。
天井は大分高く、壁も床も天井も土。男子の1メートルほど頭上には、数メートル置きに、壁に付けられたランプの弱い明りだけ。ランプは電気ではなく、ガラスの中にある芯に火が灯っているオイルランプ。