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密室脱出 ~あなたは脱出できますか?~
第6章 Q 06「近道は迷い道」
駅。
美織は考える。何故、このドアを駅と呼ぶのか。出発地点だから、始発駅にかけているだけなのだろうか。終着駅の白い駅を目指せと。
「黒い駅……。白い駅……」
呟く美織を、奏汰が見つめる。
お互いに好きだとは思うが、恋愛感情とは違う。奏汰は昔から正義感が強く、弱い物虐めなど許せない質。体が弱かった美織は、よく守ってもらった。そんなこともあり、今の関係が続いている。
「奏ちゃん……。もしかしたら、なんだけど……」
「みおが分かったなら進もうぜ」
「もしかしたら、だから……。次の部屋に出てみないと、分からない……」
戸惑う美織を覗き込んでから、奏汰は肩を叩いた。
「案ずるより産むがやすし。行こう。どのドアだ?」
七章へつづく