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密室脱出 ~あなたは脱出できますか?~
第7章  Q 07「夜の闇に答えはある」


 壁。先は行き止まりだ。しかしあったのは、発泡スチロール製の四角いサイコロ。一辺は30cmほどで、中が開いたりはしないがしっかりした作り。
 梨沙がこれに載れば手は届くと思ったが、その後持ち上げる力が必要。拓也には無理だ。
 何に使えばいいんだろう。
 その場で考えたが、拓也には分からなかった。
 取り敢えず発泡スチロールを抱え、拓也は来た道を戻る。梨沙が不安がっているだろう。拓也がその状況なら、やはり不安になる。
 せめて明りがあれば、Qの手紙が読めるのに。そう考え、拓也は足を止めた。
 ランプだ。拓也がこの上に乗れば、ランプまで手が届く。
 来た時に、道が安全なのは分かっている。走って戻った拓也は台を使い、梨沙の落ちた穴に一番近いランプに手を掛けた。
 オイルランプは長い突起で壁に差し込んであるだけ。それくらいなら、少し時間を掛ければ拓也にも引き抜くことが出来た。
「梨沙! 戻ったぞ!」
「拓也ぁ……」
 梨沙は殆ど泣き声に近い。
「ランプを入れるから、気を付けて」
 拓也はオイルランプを穴へ落した。
「ありがとう。明るいだけでも、少し落ち着く」
 梨沙はホッとしているが、まだまだ何も解決していない。
「あっ、手紙。読むね」


Q 07 夜の闇に答えはある
「闇の先は行き止まりだが、行く価値はある。道を開くのは、この手紙を見た君だ。今まで君が出会ったQを見つめろ」


 拓也も、読んだ梨沙も無言になってしまう。
「拓也……。どうゆう、こと? サイコロって……」
 梨沙が不安そうに口を開いた。



 八章へつづく


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