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密室脱出 ~あなたは脱出できますか?~
第8章  Q 08「狼狽える時間はない」


 (前回の問い)
Q 07 夜の闇に答えはある
「闇の先は行き止まりだが、行く価値はある。道を開くのは、この手紙を見た君だ。今まで君が出会ったQを見つめろ」


「僕にも分からない。……僕達は、四人いなければ無力だと言いたいのか?」
 拓也は考え込んでしまった。
 そのQによって、拓也か美織が解いてきたのは確か。だが、どちらかに分からなかったりもした。
 今回オイルランプを抜くことを拓也が思いついたのは、長身のお蔭。発泡スチロールの台に乗っても美織なら拓也とほぼ同じ高さになるだけ。頭脳の差では無い。
 水槽を動かしたり出来たのは、奏汰がいたから。梨沙も途中落ち込むまではムードメーカー。それに拘束の時、何も出来ない自分が残ると言ってくれた。
 それぞに、ちゃんと役割がある。
「拓也? 分かったぁ?」
「あ、いや……。闇の先のは行き止まりだが、行く価値はある。道を開くのはこの手紙を見た君だ……」
 呟いてから後ろに手をついた時、発泡スチロールが穴の中に落ちた。
「あっ」
「キャッ! 何!?」
 梨沙はそれを回して見ている。
「サイコロ?」
「先は行き止まりだったけど、手紙通り行く価値はあったみたいだ。それを見つけた。ランプを取るのに使ったんだ」
「ん……。コレには乗れないなぁ。下が柔らかいから、グラグラする」
「その横穴に、入って行かれそうか?」
「ううん。奥は真っ暗だし、幅的に私には無理。美織ならもしかしたらぁ……」
 選択ミス。そんな言葉が拓也の頭に浮かぶ。
 こっちの道へ来るのは、奏汰と美織が良かったのかもしれない。奏汰なら拓也と変わらない身長だから、台を使えばオイルランプにも手が届く。美織を引き上げようとすればロープで出来ただろうし、横穴にも美織なら入って行かれるかもしれない。
 拓也はここに来て考えていたことを、正直に全て梨沙に話した。拓也にしては、初めての泣き言かもしれない。


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