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密室脱出 ~あなたは脱出できますか?~
第10章  Q 10「脱出までの回数」


「わざわざ、答えは二手以上とする、と書いてあるのは、一手でも成立する可能性があるって事だ」
「一手ぇ?」
「四人いるんだから、四手以上はかかるだろ?」
 目の前の壁には、また学校のような大きな時計が付いている。もう十時。
 ここまでQは無難に熟して来たが、特に二手(ふたて)に別れた時と、水槽の水を出すのに時間がかかってしまった。
「これを、美織に渡してくれ」
 拓也が奏汰に手紙を渡す。
「美織っ、これから始めるけど、それを読んで、間違っていると思ったら、すぐに止めてくれ」
「うんっ。分かった!」
 美織は一番離れた拓也に聞こえるように、大きな声で言った。



 十一章へつづく


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