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密室脱出 ~あなたは脱出できますか?~
第11章  Q 11「レンガを積んだ数」


  (前回の問い)
Q 10 脱出までの回数
「4人が脱出するまでに何手かったか、前のドアに入力しろ。
但し、以下とする。

※最小回数で全員出ろ。
※隣の者に鍵を一度渡すたび一手と数える。必ず手渡しで、隣にしか渡せない。
※今鍵を手にしている者が、最初に鍵を開けてはならない。
※受け取った相手に戻してはならない。
※答えは二手以上とする。」


「鍵が一本しか無いのは、全員の南京錠の鍵は共通だということだ」
 拓也がみんなの方を向いて言う。
「あっそっかぁ。じゃあ、私が開けて出るのが、本当は一番早いんだぁ。その後誰かに渡せば」
 梨沙が勝手に納得したように頷く。
「でも梨沙は自分で開けちゃいけない決まりだから、みおに渡して、まずみおが出るのか?」
 奏汰が考えながら言うと、拓也が「その後は?」と訊く。
「梨沙から受け取ったみおは、梨沙に戻せないんだよな?」
 拓也に頷かれ、奏汰が続ける。
「じゃあ、出たみおが、外から拓也に鍵を渡せばいいんだ。その後オレに、最後に梨沙が出る」
「それで何手になる?」
「四手……?」
 考えた奏汰が、拓也を見る。
「正解は、二手だよ」
「えーっ?」
 梨沙が声を上げた。
「こういう問題は、指定の最低の手は無いか考えるんだ」
「二手?」
 そう言って、奏汰が考え込んでしまう。
「奏汰。何か勘違いしていないか? 南京錠をよく見てごらん」
「南京錠?」
 拓也の言葉に、奏汰と梨沙は南京錠を見つめている。
 特に変わったものでは無い。それが鉄格子の間に下がっているだけ。
「美織は分かった?」
「多分……」
「じゃあ、始めよう。梨沙、鍵を奏汰に渡して。そのまま僕に」
 拓也が言うと、南京錠を見ていた奏汰が拓也を見た。
「それでもう、二手じゃないかよ」
「大丈夫。美織、いいよね?」
 美織は拓也の声に頷いている。
「じゃあ……。渡すよ? はい、奏汰」
 梨沙の手は微かに震えていた。


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