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密室脱出 ~あなたは脱出できますか?~
第11章  Q 11「レンガを積んだ数」


 そう言った美織が椅子に座る。
 テーブルの上にはQのシールが貼られた封筒。
「いつまで続くのぉー」
 梨沙も溜息と同時に椅子に着いた。
 時計を見ると、もう五時間が経っている。
 この四人にとって勉強に集中する五時間なら大したことはないが、閉じ込められての五時間は違う。
 ここはいったいどこなのか。自分達は、何のためにこんな事をさせられているのか。あと何問解けば、自由になれるのか。何も分からない。
 奏汰が椅子に座り、拓也は封筒を開けながら座る。


Q 11 レンガを積んだ数
「レンガを積み、花壇を造った。積んだレンガの総数は1200。以下の話を元に、それぞれが積んだ個数を答えろ。

拓也  僕は美織の3倍積んだよ。
奏汰  美織と梨沙は、200コ違いだな。
梨沙  私は、拓也より200コ少ないね。
美織  積んだ数は、私が一番少なかったね。

解答用紙に書き込み、ポストに入れろ。」


「解答用紙も一緒に入っているよ」
 名前と空欄のある解答用紙。
「ポストお?」
 奏汰が見ると、開かないドアの下の方にポストらしきものがあった。
「あれ? 124になってる……」
 袋から筆記用具を出した美織が、謎の機械を見る。
「オレは、112だ」
「私は118だよぉ?」
「僕は120」
 これについても、何なのか誰にも分からない。
 拓也は、話に出ていたインターネットでの「いいね」競争も疑った。だがそれは犯罪だ。自分達の意思で、ここへ来たわけではない。
 でも今は、ここを出るのが先決だろう。出られるのならば。
「またこういうのかよー」
 諦め顔の奏汰が、テーブルに肘をつく。
「はぁ。苦手ぇ……。こうゆうのぉ……」
 梨沙もお手上げという表情。
「僕は分かったよ。これは、算数と国語が必要だ」
「国語……?」
 美織が、メモ帳で計算していた手を止めた。



 十二章へつづく


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