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密室脱出 ~あなたは脱出できますか?~
第12章 Q 12「脱出への扉」
(前回の問い)
Q 11 レンガを積んだ数
「レンガを積み、花壇を造った。積んだレンガの総数は1200。以下の話を元に、それぞれが積んだ個数を答えろ。
拓也 僕は美織の3倍積んだよ。
奏汰 美織と梨沙は、200コ違いだな。
梨沙 私は、拓也より200コ少ないね。
美織 積んだ数は、私が一番少なかったね。
解答用紙に書き込み、ポストに入れろ。」
「美織は、そんなに気にしないでいいんじゃないかな。計算で出せるだろうから」
「問題文に何か、ひっかけみたいなことがあるって意味か?」
奏汰が身を乗り出す。
「積んだ順番は、少ない順から、みお、梨沙だけど、オレと拓也は、どっちが多いか分からないだろ?」
「そこだよ。間違えやすいのは。僕は美織の数を仮定した単純な計算をしたら、合っていたけど」
「だったら教えてよぉ。少しでも早く進もうよぉ」
梨沙がテーブルに手を付いて立ち上がる。
「三倍して、他者を足しても1200を超えないなら、一番少ない美織の数は、そう大きくない。200に仮定してみた」
「美織が200なら、拓也は600だよね。あっ、後ぉ、私、梨沙は拓也より200少なくて美織より200多いから400。全部で1200。あれ?」
梨沙が首を傾げながら座ると、今度は奏汰が立ち上がった。
「オレが入ってないぞお。オレは美織より多いはずだろ? 美織が一番少ないって言ってるんだから」
「そこだよ。読解力が必要なのは」
拓也が笑う。
「でもさぁ。美織はそう証言してるよぉ? 積んだ数は、私が一番少なかった……。積んだ数?」
「そう」
梨沙に拓也が答えると、奏汰は「あー!」っと声を上げた。
「積んだ数は、美織が200。梨沙が400。僕、拓也が600。奏汰が0。それで1200個。奏汰については証言が無いから、決定は出来ない」
「オレは、積んでないってことなのか。何やってんだ、オレ?」
「奏汰は力があるから、レンガを留めるセメントを混ぜてたんじゃないのか?」
拓也に言われ、何となく納得したように奏汰が座る。
「じゃあ、書くね」
今までの様子を見ていた美織が、笑いを堪えながら解答用紙を掴む。