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密室脱出 ~あなたは脱出できますか?~
第12章  Q 12「脱出への扉」


「まだまだ続くのかなぁ? いつ出られるんだろう……。私、何の役にも立てないけど……」
「梨沙、そんなことないよ。ちゃんと色々頑張ってるじゃない」
「そうだよ。今回は四人協力して花壇も作ったじゃないか。400個も積むなんて偉いぞお」
 笑いながら言った奏汰が、書き終えた解答用を確認してからポストに入れる。
「ここに入れるって事は、向こう側に犯人がいるんだよな?」
 奏汰がポストの穴を覘くが、反対側は何かで遮断されていた。
「見えねえ……」
 諦めた奏汰が、椅子へ戻る。
 カシャ。その音に四人はすぐ反応した。今まで何度似たような音を聞かされたことか。
 奏汰が急いでドアを開けて押さえる。
 見えるのは、真っ白な空間とたくさんのドア。
 三人が出ると、奏汰が押さえていたドアから手を放す。
 ドアはゆっくりと閉まり、カシャ、という音。それは進むしかないという合図。
「何……。ここ……」
 美織が立ち尽くす。
 部屋はかなりの広さだが、異様に細長い。長い廊下の幅を広げたような造り。中央にテーブルと四脚の椅子があるだけで、他の家具や窓もない。
 そして目の前には、ズラリと並んだドア。そのドアには一つずつ大きく、0から9までの数字が書かれていた。つまりドアは十個。
 拓也がテーブルに近付き封筒を持ち上げて見せると、四人はそれぞれ椅子に座る。
「何か、異様な雰囲気だよねぇ……」
 梨沙も、今までにない不安を感じていた。
「今回のQだ……」
 拓也が封筒から出した手紙をテーブルに置く。


Q 12 脱出への扉
「1つのドアノブを回すと、他のドアはロックされる。2つ以上同時にドアノブを回すと、全てにロックが掛かり、そこでゲームオーバー。
以下の問題を解き、「?」に入る数字のドアを進め。
正解なら脱出成功だが、これが最後のQではない。」

43=10
13=24
16=41
20=「?」


「脱出成功!?」
 梨沙が声を上げる。
「でも、これが最後のQではないって、どういう意味だ?」
 奏汰の言葉に、美織は首を振った。


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