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密室脱出 ~あなたは脱出できますか?~
第14章 Q 14「Qの理由」
(前回の問い)
「Qの後の最初の文字を平仮名にして順番に読め。
答えは終業式の時に聞こう。」
終業式当日。生徒も集まって式が始まる直前、四人は壇上に呼ばれる。
横から、控えていたらしい三年生の現生徒会メンバーも出てきた。
「お疲れ様。君達の活躍は、編集して秋の学園祭で上映するからね」
生徒会長が笑顔で言う。
「因みに、今も壇上にカメラが付いてるよ」
四人はそれぞれの溜息をつく。
ファミレスに集まった時、全ての手紙を確認して答えを出していた。
「最後の答えは?」
会長がスピーチ台に手を付いて訊く。
「はい。瀬戸美織です」
拓也が答えると、全校生徒からも拍手や喝采が起こる。
「全部つなげて読むと、つぎのせいとかいちようはだれだ。次の生徒会長は誰だ、だろう?」
奏汰は、最後の「コノヤロー」という言葉を飲み込んだ。
「どうして、瀬戸美織?」
「あれはやっぱり、投票数の機械でしょ。それも多分、この学校の生徒だけが観られる、緊急連絡用の配信画面で」
梨沙が言うと、拓也が続けた。
「通常のネット公開なら、あんな内容にしては、投票数が少ない。投票数の合計は、この学校の生徒数とほぼ同じでした。その投票数が一番多かったのが、瀬戸美織だからです」
珍しく睨みつける拓也に、会長は笑顔のまま。
「正解。勿論、教師全員も協力してくれたよ。生徒だけじゃ、君達を家のベッドまで運べないからね」
「じゃあ……。あの、合宿のプリントも……」
美織の言葉に、会長は目線を合わせて頷く。
「あのプリントは、教師が直接親御さんに渡したんだ。五枚しか存在しないよ。一枚は、保管用にね」
四人は呆然としてしまう。まさかと思っていた事が、現実だったなんて。
「夏風邪を引いたのも、ウソだったのかよ」
奏汰が会長を睨みつける。
「悪かったね。準備に時間が必要だったから。あの建物は、新しい合宿所だよ。生徒会用の」
笑っている会長を、四人は睨みつけるしかなかった。
「穴から落ちた時、スカートが捲れて女子の票が少し上がったのは、想定外だったけどね」
梨沙と美織が顔を見合わせる。
「おめでとう。瀬戸さん。選挙の結果、君が生徒会長だよ」