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密室脱出 ~あなたは脱出できますか?~
第14章  Q 14「Qの理由」


「……私。辞退します。会長をやる気は、ありません」
 美織が言うと、生徒全員も騒めき出す。
「どうして? 君は、生徒全員に直接選ばれたんだよ? ここにいるみんなに」
 三年生の生徒達から少しふざけて「美織ちゃーん!」とアイドルへのコールのような声も上がる。
「生徒会長には、みんなのリーダーになれる人物が適任です。私には、向いていません。私は、本郷拓也くんを推薦します」
「今回折角一位になったのに?」
 会長が残念そうに言う。
「はい。本郷くんの冷静なリーダーシップのお蔭で、最初からパニックにならず、私を含めた四人で、力を発揮出来たんだと思っています」
 会長が諦め顔で拍手をすると、生徒達からさっきよりも大きな拍手と喝采。
「じゃあ本郷くんに、本当に最後のQだ。時期会長を引き受けてもらえるかな?」
「謹んで、お受けいたします……」
 拓也は、美織を見てから会長と生徒達に頭を下げた。
「同じくみんなにも、本当に最後のQ。補佐が取れて、副会長が後藤奏汰くん。会計長は寺島梨沙さん。瀬戸美織さんは、書記長でいいのかな?」
「はいっ」
 四人とも、つい大きな声で答えてから顔を見合わせて笑ってしまう。
 拓也はこの時に、次の会長はどんな方法で決めようかと考えていた。


 ◆◇◆  ◆◇◆  ◆◇◆  ◆◇◆


「Qの最初の文字を平仮名にして順番に読め。
答えは終業式の時に聞こう」


Q 01 次の問いに答えよ    (つ)
Q 02 疑問の意味       (ぎ)
Q 03 ノートの値段      (の)
Q 04 隠したもの       (か)
Q 05 いくらなの?      (い)
Q 06 近道は迷い道      (ち)
Q 07 夜の闇に答えはある   (よ)
Q 08 狼狽える時間は無い   (う)
Q 09 初めての競争      (は)
Q 10 脱出までの回数     (だ)
Q 11 レンガを積んだ数     (れ)
Q 12 脱出への扉       (だ)

Q 13 最後のQ

A.次の会長は誰だ  瀬戸美織
 投票数が一番多かったから。


 おわり


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