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ひと月半の恋人
第2章 恋人

「ねえ、上がって!!ビール飲む?コーヒー?」
「お前、震えながらそれ言う?」

 そう。
 たかちゃんが来てくれて心強くはなったけど、さっきから光っては鳴っている雷のせいで、私は少し震えてた。

「だって……きゃあ!」

 言い訳しかけたら、ばりばりっと音がした。

「大丈夫だ。近くに電波塔が有るだろ?落ちるならそこだろ、ここには落ちねえよ」
「そ、か……きゃ!!」
「ほら、座れ」
「うー……」

 床にへたり込むと、付き合って座ってくれる。
 ……ほっとして、涙が出てくる。

「しょうがないなあ。怖くなくなる呪いでもかけようか?」

 いつも、ふざける時みたいに、おでこを付けられる。

「あ……うん、」

その瞬間、光と音が同時に起こった。

「いやあっ!!」
「平気だ、落ち着け」
「やっ、やだぁ、やっ、ゆうちゃ……んっ……?!」

 ここに居ないゆうちゃんを、呼んじゃって。
 ぎゅっと、たかちゃんのスーツにすがりついて、騒いでいたら。

 ……キス、された。

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