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捕らわれの真理
第1章 捕らわれの真理
男から香に電話がかかってきたのが2時間前の夕方4時。
「娘さんが事故にあってしまいました。今すぐ来ていただけないでしょうか」
真理の携帯電話を使用して男からかかってきた電話を受けて
香は急いでこの部屋にやってきた。
香の家から車で10分程のビル地下1階。
(何故こんなところに)
僅かに疑問を感じながらも、男から指定されて入った場所がこの部屋である。

「高校一年生の真理ちゃん。そしてお母さん。」
男は真理の生徒手帳を見ながら言う。
「私は真理ちゃんにバスの中で会いました。まあ、会ったというよりも見かけた
という方が正しいでしょうか。真理ちゃんは通学、私は通勤のバス。
混雑しています。ある時、私の手が真理ちゃのお尻に当たりました。
故意では無いです。バスを降りようとした時、他のお客さんが突然立ち上がり
よろけた真理ちゃんの体が私とぶっかったのです。その時のお尻の感覚。
気持ち良かった。今でも思い出します。私はその感触が忘れられなくまりました。
しかし、触る訳にはいかない。私は写真を撮ることにしました。
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