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あなたからは逃げられない
第4章 気持ちを込めたお料理




結局洗い物が終わるまでずっと後ろにいた彼は大河原さんが迎えに来たインターホンのチャイムでスーツのジャケットを羽織って玄関に向かった。


「あの!何か嫌いな食べ物とかある?」

「ないな。作ってくれるならリクエストしていい?和食が食いたいんだけど。」


「分かった。作っておくね。」



すると革靴を履いたのに出ていこうとしない。
なにか忘れ物?と聞いても無反応…


「作っておくねって帰るのか?」


彼は私がここから出ていくと思っているみたいだけどそれは逆に出来ない。
買い物も行こうと考えたけどあのエレベーターに乗れないことを思い出す。

「待ってますよ。買い物も大河原さんに頼んでみます。だから龍輝さん送ったらここに戻ってきて欲しいと伝えてくださいね。」

「分かった。行ってくる。」

「行ってらっしゃい。気をつけて。」


さっき敬語だったのに反応した。それは私がここに居るって言うのを聞いて安心したからだろう。

玄関ドアが閉まるのを確認し私はリビングに戻って今日の夕飯の献立を考える。
和食って難しいよね…

嫌いなものないって言ってたからどうしよう。
私はスマホを取り出してレシピの検索を始めた。



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