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蝶々と甘い蜜。
第4章 蜜が欲しくなる
「ありがとうございました。ここで大丈夫です。」


「では、大学の授業が終わりましたら、ここに迎えに参ります。」


車から降りると現実に戻されて
今更ながらとんでもないことをしている自分に気付いた。


だって、あんな高級な車が私を送ってくれてまた迎えにきてくれる。
それは夢のようなことだけど
私の住所や大学の授業のことなど
個人情報はすべて三島に握られている。


それがどれだけ怖いことなのか……冷静になった今わかった。
でも、一度踏み込んだら
もう、戻ることはできない。
だって、契約したのだから――


「結衣?結衣!心配したよー!!」


智美が抱きついてきて
さっきまで続いていた緊張の糸が切れた。
三島は私のことは何も思ってくれないけど
智美はこうやって私のことを心配してくれる。


私のことを思ってくれる人がいてよかった……。
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