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不器用な夫
第2章 執事



ハコを嫁として扱う…。

ハコの頭に置いてた手をハコの頬へと滑らせる。

期待するようにハコが目を見開き僕を見る。

少し首を傾げながら見上げるハコの顔に、ゆっくりと顔を近づける。

後…、数センチ…。

夕べ、眠るハコになら出来た事を起きてるハコにやってみようと試みる。

心臓が壊れそうに感じる。

後…、1cm…。

ハコの吐息が僕の鼻を掠めるほどまで近付いた。

僕はハコを…。

妻として…。

ちゃんと扱ってやれる男にならなければならない。

だから…。

この程度は…。

緊張に強張る自分の身体をもどかしく感じる。

たかが唇をハコの唇に重ねてやるだけの行為すら僕にはやたらと難しく越えられない壁に思えて来る。

後…、ほんの僅かだから…。

そう思い、自分の身体にハコの身体を引き寄せる。

その瞬間…。

寝室の扉をノックする音が鳴り響く。

ハコの身体がビクリと反応を示し、口から心臓が飛び出す感覚を味わった。


「坊っちゃま、そろそろお時間です。」


寝室の扉が僅かに開き、淡々とした公平の声がする。


「今…、行くから。」


そう答えるだけで精一杯だ。

ハコが赤い顔で俯いてしまった。

主として公平に5分待てとスマートに命令をしてから鮮やかに嫁にキスが出来る器用な夫じゃない自分を怨みたくなる。


「朝食にしよう。」


俯くハコの頭を撫でてやるだけが精一杯である今の僕は教師であり、遅刻などは許されない。

寝室を出るとニヤニヤとする公平が居る。


「お邪魔でしたか?」

「聞くな…。」


女性の扱いが苦手な事は、常に僕という人間の傍に居た公平が一番よくわかっている。


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