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チカちゃん先生のご褒美
第3章 チカちゃんと模試と判定

   *

「うん。大体、決まったね……」

 チカちゃんがそう言ってふーっと息を吐いた時には、窓の外はすっかり真っ暗になっていた。

「次の模試で実力を見るよ!!頑張ってC判定以上が出てくれたら、先生嬉しいなあ」

 C……見たことねーよ、C……。
 AやBなんか、論外だ……。

「チカちゃん……俺無理だ、やる気でねー……」
「えっ」
「ほんっと、やる気でねーよな……」
「えっ、えっ」

 俺らがぐったりしていたら、チカちゃんが励ましてくれた。

「大丈夫だよ、二人とも!今回、興味のある学校の中でも、得意科目や伸びそうな科目で受験できるとこを厳選したから!!」
「ご褒美……」

 一生懸命話すチカちゃんに、野際がぼーっと呟いた。

「えっ」
「チカちゃんと違って今時の若者がやる気出すためには、ご褒美が必要なんだよー……」

 分かってる。ご褒美が無いと、頑張れません──なんて。
 俺らは、甘えてる。
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