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魚の骨
第6章 酸欠
ジリジリと玩具を見えない突起に当て続け見えない波が体を襲ってくる。あと少しで波の渦に巻き込まれそうになった時、彼に玩具を取り上げられ身体を引き剥がされてしまった。

「あと少しでいけたのに…」
「我慢できなくなったらいってね」

枕元にある避妊具を取り出して彼が自分のものに取り付けてるのがわかり、落胆した。ラップ一枚の薄さの壁も彼との繋がりには欲しくなかった。
つけなくてもいいのに。どうせいけないのに。
頭で考える貴方がいけるはずがない。

物思いにふけりそうになる私を彼の物が掻き消そうと突いてくる。悲鳴のような声からねっとりとした女の声に変わるまでそう時間はかからない。
ゴム一枚で大人の恋愛には思えない私は愚かな破天荒な恋しかしてこなかった罪なのだろうか。
快楽だけを楽しみたいわけではない。体と心が繋がったセックスを求めてしまう。

生がいい理由はなんだろう。
化学が作った匂い、人間が使った道具が嫌ならば玩具は必要がない。私は彼に気持ちよくなってほしい。
服の上から抱き合っても満足な彼だからこそ、私の濡れた熱い想いを知って欲しかった。
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