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第2章 思いもよらぬ再会

『来月はユカリの誕生日飲みー！プレゼント用意するから1人500円集めます☆』

帰宅した途端に届いたメッセージ画面を瞬時に消し、スマホをソファに放り投げた。

無性にこみ上げる苛立ちを振り落とすように堅苦しいオフィスカジュアルのシャツを床に脱ぎ捨て、バスルームへ直行する。

タバコの臭いがついた髪と汗ばんだ身体を雑に洗い、ナイトブラを洗濯機に放り込んだままであることに気づく。仕方なく、素肌の上に薄いTシャツを被った。

やっと一息つくと、ソファで裏返ったままのスマホがまた震えた。
どうせプレゼントの話の続きだろう。

ため息をつきながら手に取ると、画面に表示された「綾野令司」という名前に心臓がドクンと反応した。

『今日は久々に会えてよかった。ルーベンス展の詳細を送っておくね』

URLをタップすると、美術館のWebサイトが表示された。
先ほどまでの苛立ちはどこかへ消え、摩耶子は心が浮立つのを感じた。