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堕落の絵画 調教の目覚め
第2章 思いもよらぬ再会
デザートを食べ終えた頃、綾野は盛り上がるタケシたちの輪を外れ、にこやかに摩耶子へ話しかけた。

「一体いつまで飲むつもりなんだろうな」
「先輩は卒業してから飲み会に全然来てなかったですよね」
「そうなんだよ。海外赴任してた時期があったりして、最近やっとこっちで落ち着いたんだ」
海外赴任という言葉が妙にしっくりする。

「あ、そうだ。摩耶子ちゃんまだ絵画に興味はある?来週から国立西洋美術館でルーベンス展が始まるんだけど、チケットが1枚余っていて。よかったら行かない?」

唐突な誘いだった。最近は仕事の疲れから休日は寝込むばかりで、昔のように美術館へ行こうとは思いもせず、絵画を観る楽しみはすっかり忘れていた。

「先輩、ルーベンスの研究してましたよね」
「覚えてたんだ?じゃあ、もし予定が空いてたら連絡してくれるかな」

とても自然な流れだった。
この人は他人の懐に飛び込むのがとても上手だ。

「綾野さ~ん。イギリスにいたときの話を聞かせて下さいよぉ~」
LINEの連絡先を交換し終えると、酔ったサワコが綾野に絡み始めた。
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