パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第1章 陰鬱な日々

この疲労感は、どんなに高価なマッサージサロンでも取れたことがない。
温泉に行っても疲れが増すだけで、もはや諦めていた。

明日から3月だというのに、冷たい風が浪川摩耶子の顔面を打ち付け、容赦なくダメージを与える。

『最近もう駄目、無理、疲れた。永遠に会社休みたい』

氷のように冷え切ったスマホをコートのポケットから無造作に取り出し、歩きながら打ち込んだ文章を送信する。
誰にも見られることのない呟きがまた更新された。

金曜の夜に廃れかけたSNSへまとまりのない愚痴を書く生活は、全てが色褪せている。