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堕落の絵画 調教の目覚め
第2章 思いもよらぬ再会
今日は同級生の6人全員が勢揃いし、先輩の姿もちらほら見えた。
プロのアーティストになる夢を叶えた者は一人もおらず、全員が一般企業で働いている。
既に酔いが回っている同級生の横で、料理に手を伸ばす。
冷えかけた揚げ物や苦手なもつ鍋しか残っていない。

「ほんっと最悪だよ。あいつは俺と別れる前から、新しい男ともつきあってたんだから」
「でも、タケシだって風俗とかに散々行ってたじゃん」
「俺は男だからいいんだよ。それに風俗なんて別物だろ。遠距離で中々会えなかったからしょうがねーだろ」
耳に入る会話のすべてに、薄っすらと苛立ちを覚える。

やっぱり理由をつけて欠席すればよかった。
デスクワークで疲れた肩の重さに押し潰されそうだ。
注文したハイボール1杯分の495円だけ置いて、今すぐ帰って横になりたい。
この様子では苦痛でしかない会話はまだまだ終わらず、割り勘の料金も増えていくだけだ。

「帰りたい」
誰にも聞こえない小声で呟いた。
しかし、腰を上げることができない。来たばかりなのに帰るの?と言われることすら億劫だった。
ろくに聞いてもいない話に相づちを打ちながら、摩耶子はただ呆然と座っていた。

学生時代の友人に会う数少ない機会なのに、楽しむための場で何もせず石像のようにただ座している自分は、間違いなく感じの悪い人間と化している。

摩耶子は自己嫌悪に陥り、自分がとてつもなく醜い化物であるように感じた。
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