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MILK&honey
第20章 最初っから、君だけだ

 下着、落としてく様な女……。
 ウチに下着を持ってきて、落として帰って行く女……妖怪?
 ……じゃねーよな。ウチに来て、下着を脱いで、落としてく様な女だな……ぁぁぁぁああああああああ?!

「来てないっ!!誰も来てないからっ!!女なんて、るりちゃん以外誰も来てねーよ!るりちゃんだけだよ!」
「……私だけ?」
「うん!!」

 正確に言うと、姫ちゃんも来たこと有るけどね!
 朔とセットだったから、数に入れねー事にしとくよ!

「るりちゃんだけ!最初っから、るりちゃんだけだよ!」
「……よかった……」

 良かった?
 今、良かったって言った?

「女の人が来てるんだったら、もう来ちゃ駄目だって思ったの」
「ごめん!」
「……その人に邪魔って思われて、かーさんに迷惑だって思われたりしたら……絶対やだって、思ったの」
「ほんと、ごめん……!!」
「……ううん……良かった……」

 良かった、って言って。
 涙の溜まった目で、るりちゃんが笑う。
 涙が溢れて、頬っぺたを濡らす。指で拭おうとするけど、付け爪が邪魔過ぎる……
 指じゃなくて手のひらで、頬っぺたを撫でる。
 るりちゃんが、くすぐったそうに目を伏せる。
 ……そのまま、吸い寄せられる様に、
 
 ………………ちゅ。


 あー……すっげ柔らけー………
 夢より、妄想してたより、ずっとイイ……
 まつげ、長…………え゛。

 ……………っ!?

「……っぁああっ!?……うわっ痛っ!!!!」
「え、え?!」

 途中で目を開けたら、派手紫のすげーネイルが目に入り、我に返って、はっとして。
 るりちゃん引っぺがしてバランスを崩し、俺だけが横回転して、ソファから床に墜落した。
 
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