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借金のカタに妻を差し出しました
第2章 妻を貸します
デザートまで食べ終え、コーヒーが運ばれてきた時、矢那はこれからの事を話し始めた。

「さて、これからの事でが。」

その一言で、今までリラックスしていた2人が固くなった。

「私は、これから仕事に戻ります。」

2人は虚を突く言葉に驚いた。

「夜には戻ります。それまでに瑞樹さんには、して置いてもらうことがあります。ホテルの者が案内するので着いていけば大丈夫です。和明さんには、これを渡しておきます。」

矢那は、カードキーを和明の前に置いた。

「ここの部屋を、明後日まで自由に使って下さい。このホテルのサービスは、何でも利用して下さい。」

瑞樹の前には、先程と違う金色のカードキーを置いた。

「これは瑞樹さんの部屋です。この部屋で私の帰りを待っていて下さい。」

瑞樹は、頭を下げ「ハイ」と答えた。

「あの」和明が尋ねる。

「私はずっとこの部屋に居ればいいのでしょうか?」

「いえ、私が帰るまでは、瑞樹さんと一緒に居て下さって結構ですよ。」

瑞樹は安心した表情をうかべ、和明は瑞樹の方を見つめた。矢那は続けて

「そうですね、いくつか条件を付けます。まず、お二人のスキンシップは明日の12時まで遠慮して下さい。あと、瑞樹さんのスマホの電源を切って下さい。和明さんは、私が退席をお願いするので、それまでは一緒に居て下さって結構です。」

瑞樹はハンドバッグからスマホを取り出し電源を切り、矢那に確認の為、画面を見せた。

「はい、確認しました。それでは、私は仕事に戻るので、後はホテルの者が部屋に案内するのでお願いします。」

矢那は立ち上がり、扉に向かうと、立ち止まり振り返りこう言った。

「あの、もう一つお願いがありました。私の事は矢那君とよんでください。・・・言うことは聞いて下さい。」

見送る為に立ち上がっていた瑞樹は、

「はい、矢那さん、・・・いえ、矢那君。」

「じゃ、行ってきます。」

「はい、行ってらっしゃい、矢那君。」

瑞樹は小さく手を振り、矢那を送りだした。



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