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少女は愛を歌う
第6章 少女は壊れていく
芦田「……聖羅、どうした?」
『ちょっと…様子を見に…大丈夫?』
芦田「ああ、命に別状はないみたいだ」
『ごめんなさい…私が…』
芦田「いいんだ。聖羅が無事なら…」
『弓弦君…』
芦田「なぁ…聖羅、こっち来てくれよ」
『………』
聖羅は言われた通り弓弦の元へ歩き出す。
そして、
芦田「ごめん…俺が弱かったから…聖羅を助けられなかった、」
聖羅を抱きしめた。
弓弦の肩は上がっていて泣いていた。
『大丈夫だよ…私は平気だから…』
弓弦の頭を撫でる。
芦田「聖羅…そんな事したら…俺、本気になっちゃうよ…」
『………え?』
芦田「聖羅…俺、最初はお前のこと遊びだと思っていた。もともと綺麗だったから目つけてたけど…でも、聖羅の涙を見たとき…胸が痛かったんだ。それに…坂本に触られてたとき、すげぇムカついた。」
『…弓弦君……』
芦田「俺、坂本に渡したくない…聖羅、好きだ。俺の本当の恋人になってくれ…」
『………私、付き合うとか付き合わないとか正直よく分からないけど…でも、弓弦君とのキス…嫌じゃなかった…』
芦田「………聖羅」
聖羅は弓弦の瞳を真っ直ぐ見て伝えた…
『…私も弓弦君のことが好きです。こちらこそよろしくお願いします!』
芦田「………っ、聖羅…!」
聖羅は弓弦の唇にキスをした。
口を離すと
芦田「まだ、足りねぇ…」
弓弦は離してくれなかった。
何度も何度も繰り返しキスをした。
でも聖羅は嫌じゃなかった。
むしろ…
『…弓弦君…もっと…して?』
聖羅は求めた。
愛を…。
芦田「聖羅…愛してる…」
『私も…好き…』
弓弦の手は聖羅の太ももに添えた。
『まだ駄目…弓弦君。続きは、弓弦君が退院したら…ね?』
芦田「………分かった…我慢する。俺、早く治すから!だから、待っててくれ!」
『いつまでも待つよ…弓弦君』
そして2人は笑いあった。
『また来るね…』
芦田「ああ、待ってる…」
別れ際にキスをして聖羅は病室を出て行った。