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少女は愛を歌う
第8章 病院の息子の脅迫

坂本「……っ(中から出てくる…気持ち悪りぃ…)」

拓人はトイレに入り中に入っている液体を取り出す。

そして拓人は何となく302号室前に向かった。

302号室のドアノブに手をかけると、中から声が聞こえた。

坂本「…誰だ?」

少し扉を開け中の様子を見ると…

『弓弦君…大丈夫?』

芦田「心配性だな聖羅…お前昨日来たばっかりだぞ?」

楽しそうに会話をする聖羅の姿があった。

拓人は嫉妬で爪を噛む。

坂本「…(聖羅…俺の前じゃ あんな顔しないのに…)」

芦田「聖羅…」

すると突然後ろから声をかけられる。

坂本父「どうしたんだい、拓人?」

坂本「父さん…!」

父が扉を覗くと…

坂本父「おお、これはこれは御影家のお嬢さんじゃないですか」

『……え?』

坂本父「私は拓人の父の坂本徹と申します」

『………拓人の父様?』

坂本父「そうです、以前お会いしましたのはあなたが幼稚園の時…覚えていないのも無理がありません」

父が手を出すと、聖羅は握手をしようと手を取る。

しかし握手する寸前で腕を引っ張られ、父の胸に入った。

芦田「……なっ!?」

坂本父「ははっ…綺麗になって…本当に母さんに似てる…」

『…あ、あの…』

坂本父「おっと、これは失礼…あまりにも私の妻に似ているようでしたので…」

『……』

坂本父「少しお話ししたい事があるのですが…聖羅さん。いいですか?」

坂本「なっ…父さん…!」

芦田「…坂本!」

坂本父「どうしたんだ、拓人…私に何か言いたい事があるのかい?」

坂本「………っ、何でもありません」

拓人は父の目を見ると身を引いた。

坂本父「じゃあ行こうか、聖羅さん」
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