この作品は18歳未満閲覧禁止です
![](/image/skin/separater17.gif)
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
少女は愛を歌う
第8章 病院の息子の脅迫
![](/image/mobi/1px_nocolor.gif)
先生の家の前へ来ると拓人は手を離し、きた道を引き返す。
『ありがとう、拓人』
拓人は一度立ち止まるが、そのまま進み帰って行った。
『ただいま』
聖羅は家へ上がると、楓が出迎えた。
楓「おかえりー、芦田君に会えた?」
『うん、元気そうだった』
楓「それは良かった、あ、お風呂沸いてるよ」
『わかった、入ってくる』
聖羅は風呂場に行くと服を脱ぎカゴに入れた。
カゴの中を見てみると、何かのペンダントが入っていた。
『なんだろう…』
聖羅は開けると、堀切であろう人物と綺麗な少女が写っていた。
学ランにセーラー服と中学生の時の写真だろう。
『……あれ、私に似てるような…』
聖羅が言う通り その写真の人物は聖羅に似ていた。
黒髪のロングに青い瞳、色白の肌。
全てが聖羅そのものだった。
ガチャ
音がする方を向くと、先生が立っていた。
堀切「わ、悪い!出直す!」
『先生…これ』
堀切「あ、ありがとう…」
先生は目を瞑りながら受け取った。
『先生の恋人ですか?』
堀切「まぁ、そんなとこだ…今はもう居ないけどな」
『………』
堀切「名前、絢香って言うんだけど お前にすごく似てるんだ。姿もそうだし、心優しいとこもな」
先生の目は遠くを見ていた。
その姿は 悲しそうだった。
堀切「いじめで自殺してしまったんだ」
『………っ』
堀切「俺が教師になったのも、こういう生徒を助けたいからなんだ…何度も言うけど…御影、困ったことがあったら相談しなさい。先生はいつでも御影の味方だ」
『ありがとうございます、先生』
聖羅は笑顔で答える。
堀切「じゃあ…その、邪魔したな!」
光の速さ並みに出て行った。
![](/image/skin/separater17.gif)
![](/image/skin/separater17.gif)