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遅すぎる初恋
第9章 自覚
「たまたま、マッサージされてて、気付かれただけで、べ、別に何もしてねえよ」

「ねえ、和哉さんはオレのことどう思ってる? 会いたいって言われたら期待しちゃうよ。オレのこと、恋愛的に思えないなら、身体触るのもちゃんと拒否してくれないと。今のままで和哉さんから同じことを何度も聞かされたら、オレは嫉妬でおかしくなる」

そう言われて、紫音の言葉に甘えてたと改めて気づかされる。
好きな人に期待させられたまま、別の男に告白されたとか聞かされた紫音の心情を理解できなかった俺は本当に酷いやつだ。

俺を見下ろす紫音の頭を引き寄せ、バクバクと高鳴る鼓動を隠せないまま、キスをする。

「……俺、紫音のこと、好きだ」

初めから、初めて会ったときにはすでに紫音に惹かれていて。
けれど、誰かを好きになることがなかったから、その気持ちに気付かなかった。
初めてのエッチだって、相手が紫音だったから男でもいいって思えた。

一度言ってしまえば、気持ちが溢れ出る。
目の前で泣きそうになってる、男がたまらなく愛おしい存在へと変わる。

「紫音に会いたいのに会えなくて、一人でいるのが嫌だったから、誘われるがまま飲みに行った。そこで告られても紫音が頭にチラついて離れなかった」
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