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ハデな彼に、躾けられた、地味な僕【BL】
第7章 新たな関係のはじまり
僕はぎゅっと紗神に抱きついた。

「んっ。知ってた」

どこまでも自信家の人。

でもこの人がこうでなきゃ、僕はこんなに強く惹かれなかっただろう。

「あっ、僕も指輪買った方が良いよね?」

「いや、オレはもう自分のあるから」

そう言う彼の左手の薬指には、すでに金の指輪があった。

「でも…」

「良いんだって。そもそも指輪を買う為にバイトをはじめて、オレの側にいる時間が短くなったらイヤだしな」

…どこまで先読みする人なんだろう? 

僕が数秒前まで考えていたことは、全部お見通しってわけか。

「なあ、永河。お前、自分のことを自信なさそうに言うのやめろ」

「それは…」

「謙虚なのは悪いことじゃない。でもオレが選んだお前でも、そう言うのか?」

「うっ」

それを言われると、アレだけど…。

「永河はオレが選んだヤツなんだから」

「ずっと不思議に思ってたんだけど…いつから僕のことを?」

「ん? そうだなぁ…。まずは入学式で一目見てから、何か気になってたんだよな。そしたら体力測定やテストで、見た目よりスゴイ成績出しただろう? それで一気に興味を持ったんだ」

見た目よりって、かなりいらない言葉だと思うけど…。

確かにクラスで上位に入るぐらいの成績は残した。

…けれど彼はその上をはるかにいったものだから、自分の成績なんてあまり頭に残っていなかった。

「正直なことを言うと、マンションに招待した時点では抱こうと思っていなかった。でも話をしているうちに、もっと気に入った。だから抱きたくなったんだ」

「それって…いわゆる一目惚れってこと?」

「まあそうだな。生まれて始めてのことで、自覚するまで時間がかかったけど。永河、お前だってそうだろう?」
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